品質向上の3カ条は、“ブレない、逃げない、あきらめない”

2019.4.10

品質管理部 部長 坂義雄

 厳しい基準値を自らに課し、品質向上に取り組む

品質管理部はその名の通り、製品の品質を管理する部門。材料の段階から各製品の完成に至るまでの精度・寸法の確認や、不良が出ないモノの作り方の指導を製造部に対して行っています。信和の製造は溶接がメインですから、間違った部品がきたら溶接できないような、溶接治具に関しての改善提案も行います。その他に大きい仕事としては、認定や承認の取得があります。「仮設工業会」という任意の団体に加盟しており、決められた規定・規格通りに製品が作られているかの検査を受け、合格して初めて認定証や承認証がもらえます。さらに、信和では「品質には妥協するな」をモットーに仮設工業会の基準より更に厳しい自社基準も設けています。海外においても管理基準は土倉工場と同じですし、厚生労働省規格及び仮設工業会の定める認定基準に適合した製品を作り出す環境は整っています。徹底した品質へのこだわりこそ、私たちのプライドです。

 

製品を見た目で判断できるようになるには、日々勉強

溶接は、全体にバランスの取れた強度が大切です。強度試験では、材料を実際に破壊して基準にあっているかを確認することもあります。溶接の断面をきれいに磨いて特殊な液につけると、どこまで鉄が溶けているのかが見えるので、その観察も行います。材料そのものがJISの規格にあっているか、外部の分析機関に調査依頼を出したり、社内の試験機で強度を調べることもあります。溶接の強度を見た目で判断できるようになるには、数をこなすことですね。溶接されたものを数多く見るうちに、何となくわかるようになってきますから、毎朝、製造部と一緒にメッキ前の製品チェックを行っています。ベテランと若手がペアになって、「この溶接いいね」「これは悪いね」と見て回ることで、少しずつ見る目を養っていけると考えています。

 

 

安全は当然、見た目や手触りも最善であるためには

信和における品質管理とは、お客様に安心して製品を使っていただくことがもっとも重要ですが、強度があるというだけでは不十分だと考えています。例えば、高所で軍手を付けた状態でモノの受け渡しをする際、製品にバリ(引っかかり)があると、バリに軍手が引っかかったり、引っ張られてしまったりすることもありますので、見た目や手触りにも気を遣う必要があります。「製品を手で持ったときのザラザラした感触を改善してほしい」とお客様から意見をいただいた時は、製造部と協議して社内の溶接機を最新のものに入れ替えました。なるべくスパッタ(溶接の際に付着する粉)が出ないよう、電圧や電流、スピードについてティーチングも行い、品質の向上に努めました。

 

次世代足場の厳しい基準に試行錯誤を重ねる 

2017年から次世代足場のOEM製造を手がけていますが、従来に比べて非常に厳しい公差で、例えば3.6mの製品でも±1mmしか公差が認められません。初めて図面を見た時は「本当にこの公差で製品ができるのか…」と思うほどでした。そうなると、3.6mの製品で±1mmの公差を測定できるゲージを作るところからのスタートになりますので、ゲージの精度も今はミクロン単位でゲージのメーカーに要求しています。厳しい基準のクリアはもちろん、立ち上げスピードの早さも信和の強みです。仮設工業会の承認を取るのに6ヵ月かかっていませんから、お客様からすると「すごく早い」ということになります。次世代足場を手がける会社は他にもありますが、お客様から「品質も含めてスピーディーだ」「信和にして良かった」と言っていただけると嬉しいですね。最近では、使用している製品がどのような品質管理のもと、誰が作っているのか知りたいという声もあり、工場見学されるお客様が増えています。パッと見てわかりやすく、“見せる(魅せる)”工場としての取り組みもしており、測定のためのゲージなどをお見せすると、「これすごくわかりやすいね」と言っていただけます。

 

決して妥協せず、お客様の要望に応え続ける

大きなプロジェクトがあると一致団結するのが信和のカラー。次世代足場立ち上げの時は、本当にみんながひとつになっていました。「絶対にやり遂げなければいけない」という気持ちがありましたね。思いがひとつになると爆発的な力を発揮する。それがトップシェアにつながっている要因のひとつかもしれません。新たなお客様が増える中で、要求される品質やスピードも上がってきており、それに応えるかたちで品質管理部全体の意識が変化してきたようにも感じています。品質に評価をいただいていますので、お客様に育てられているという事を意識して、今後も品質に妥協することなく取り組んでいきたいと思います。

 

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